エコキュートの仕組み
公開日: 11月26日 2021
購入する前に知っておきたい
エコキュートの仕組み
エコキュートをご存知でしょうか?
2001年に販売が開始された給湯器の一つで、オール家電住宅の増加などの影響もあり、順調に設置台数が伸びています。しかし、名前は知っていても「具体的にどんなものか分からない」という方も多いようです。この記事では、エコキュートの仕組みを解説します。
目次
1.エコキュートとは?
2.エコキュートの部品
3.エコキュートの仕組み
4.エコキュートのメリットとデメリット
5.まとめ
1.エコキュートとは?
ヒートポンプの動力は電気ですが、エコキュートの場合、電気料金が安くなる夜間に作動してお湯を溜めておくことも特徴といえるでしょう。
2.エコキュートの部品
ここでは、それぞれの部品についてご案内します。
・ヒートポンプユニット
ヒートポンプユニットは、外の空気の熱を集めてお湯を沸かすための装置で、外見はエアコンの室外機に似ています。中には空気熱交換器、膨張弁、圧縮機、水熱交換器などが入っています。ユニット内には「冷媒」と呼ばれる気体が巡っており、集めた空気の熱を運ぶ役割をしています。
・空気熱交換器
お湯を沸かすために、外からの熱を吸収する部品です。
・膨張弁
冷媒の温度を下げる働きをする部品です。熱は高いほうから低いほうへと移動する性質があります。膨張弁で冷やされた冷媒に、空気熱交換器で取りこまれた空気が乗り、次の圧縮機へと流れていきます。
・圧縮機
圧縮機は、空気熱を乗せて流れてきた冷媒に強い圧力をかける部品です。運ばれてきた空気に圧力をかけると、さらに熱が上がります。
・水熱交換器
高温になった冷媒は水熱交換器へと移動して、熱を水に移します。このようにして、お湯が沸くというわけです。
・貯水槽タンク
貯水槽タンクは、沸いたお湯を貯めておくタンクです。水熱交換器で沸いたお湯が送り込まれます(写真の右)。
3.エコキュートの仕組み
エコキュートでお湯が沸く仕組みを要約すると以下のようになります。
- 空気の熱をヒートポンプユニットの空気熱交換器に取り込みます。
- 取り込まれてからCO₂を冷媒として圧縮機に運ばれ、電気エネルギーにより圧縮されて高温になります。
- 高温になったCO₂は、水熱交換器に運ばれて、貯湯タンク内の水を温めます。
- 水を温め終わったCO₂は、膨張弁に運ばれて、また低温になります。
- 低温になったCO₂は、空気の熱を取り込むため空気熱交換器に戻ります。
- 貯水タンクユニット中で温められたお湯が、給水で設定温度に調節されてキッチンやお風呂で使われます。
4.エコキュートのメリットとデメリット
メリット
- 電気代の安い深夜電力を利用するため、光熱費が安い
- 断水時などにはタンク内の水を非常用水として使える
- 停電が起きてもタンクから水を取り出すことができる
- メーカーが豊富でより家庭環境に合った製品を選べる
たくさんのメーカーから商品が出されていますので、性能や機能を比較しながら最適なものを選ぶことができるというのも大きなメリットです。また、初期コストが高いというイメージがありますが、今では以前よりも価格が下がって設置しやすくなっています。
実用面では火を発生させないため、火災が発生する可能性が非常に低くなります。子どものいるご家庭や、高齢者世帯も安心して暮らすことができます。これらもエコキュートを設置するメリットのひとつです。
続いては、デメリットについてもご紹介します。
デメリット
- 使いすぎると湯切れが起こる
- 故障しても自分の手では直せない
- 深夜に低周波騒音を起こす可能性がある
- 空気の熱を利用するため、冬は効率が下がる
さらに、貯湯タンクは大きいため、室外に一畳分くらいのスペースが必要です。
そしてもうひとつは、一部で低周波騒音のトラブルが発生しているということです。エコキュートは耳に聞こえない低い周波数で音が発生しています。